全ネジカッターのおすすめは?ねじ切り機との違いや用途選び方のポイントを解説!
「全ネジカッターって何?」
「ねじ切り機とは違う工具なの?」
「色んなメーカーから出てるけどどれがいい?」
など様々な理由からまだ全ネジカッターをお使いになっていない方も多いかと思います。
全ネジカッターは建築や設備工事の現場で効率的な作業を可能にする必須ツールです。
ねじ切り機との違いを理解し、用途や現場に合ったモデルを選ぶことで、作業効率を大幅に向上させることができます。
ぜひ、自分に最適な全ネジカッターを見つけて、作業の幅を広げましょう!
全ネジカッターとは?ねじ切り機との違い
全ネジカッターとは天井付近の吊りボルトなどを切断するための電動工具です。
よく見た工具に「ねじ切り機」があるので、間違えて購入しないように注意が必要です。
ここからは、全ネジカッターの用途とねじ切り機との違いを解説していきます。
全ネジカッターの用途
全ネジカッターとは「寸切りボルト」とも呼ばれていて、切断専用の電動工具です。
チップソーや砥石を使用する電動工具と異なり、静かにスピーディーに全ネジを切断することが可能です。
全ネジとはねじだけ切られた頭部のないボルトのことで、長ねじや全ネジ、スタッドとも呼ばれています。
頭部を作る必要のない全ネジは、通常のボルトと比べて長さが285mm〜1,000mm程度の〝定尺〟と呼ばれており、現場に合わせて任意のサイズに加工して使用します。
この全ネジですがほとんどが天井付近で使用されるため、ほとんどのモデルが上向き作業に向いた構造になっています。
全ネジカッターを使用した切断面はとてもキレイで、バリ取りや面取りといった後工程を最小限に抑えることが可能です。
はさみと同様の原理で切断作業を行うため、切りくずの発生や火花が散ることなく安全に作業することができます。
ねじ切り機との違い
全ネジカッターと似た電動工具に「ねじ切り機」と呼ばれるものがあります。
全ネジカッターは吊りボルトなどの全ネジを切断するための電動工具で、ねじ切り機と用途が異なります。
切断対象が異なる他に、本体の重量も重たく扱いにくく、手で持ちながらの作業ができません。
間違えて購入しないように注意しましょう。
全ネジカッターのおすすめモデルを紹介!
全ネジカッターはさまざまなメーカーから販売されており、特に有名なのが「マキタ」「ハイコーキ」「パナソニック」の3社です。
この3社の全ネジカッターは大変扱いやすく、多くの職人さんから愛用されています。
そこでここからは、これら3社のおすすめ全ネジカッターを紹介していきます!
マキタ SC102DRGX
切断能力 |
W3/8 全ネジ:軟鋼・ステンレス |
最小切断能力 |
20mm |
本機寸法 |
199mm×103mm×308mm |
1充電あたりの作業量 |
W3/8 軟鋼:約1,600本 |
質量 |
3.2kg |
参照
「makita SC102DRGX」
コンパクトで豊富な作業量を誇り、18Vの他に14.4Vバッテリーでも使用可能です。
モーター部分が大変コンパクトな設計になっており、これによってボディの小型化に成功しています。
優れた重心バランスによって、作業者の手首の負担を軽減し、上向き作業も安定感バツグンです。
上向きの他に定置切断どちらも対応している万能型モデルなので、床面でも安定した切断が可能です。
マキタ SC101DRF
切断能力 |
W3/8 全ネジ:軟鋼・ステンレス |
本機寸法 |
241mm×99mm×293mm |
1充電あたりの作業量 |
W3/8 軟鋼:約360本 |
質量 |
3.2kg |
参照
「Amazon商品ページ SC101DRF」
「先ほど紹介したSC102DRGXほどの作業量は必要ない」という方におすすめのモデルが、マキタのSC101DRFです。
作業量を控えめにした分、コスパが良くなっています。
しかし本機寸法や重量は前述したSC102DRGXとほぼ同じです。
こちらのモデルも上向き作業に限定せず、定置作業もおこなえる万能型モデルになっており、性能よりもコスパを重視している方におすすめのモデルです。
マキタ SC121DRG
切断能力 |
軟鋼(SS400)・ステンレス |
切断スピード |
約3秒 |
本機寸法 |
212mm×323mm×260mm |
1充電あたりの作業量 |
W1/2:約440本 |
質量 |
6.0g |
参照
「makita SC121DRG」
マキタの全ネジカッターの中で唯一の油圧式となるSC121DRGは、対応する全ネジの種類も多く、W1/2〜W5/16まで対応しています。
ステンレスW1/2も約3秒で切断可能で、作業効率はこれまで紹介してきたモデルと比べて圧倒的に高いのが特徴です。
「リターンバルブ機能」搭載で、ツマミを緩めると刃が初期位置に戻る機能も搭載しています。
本体は6kgと重量級なのがネックですが、「バランススタンド」を使用することで本機を水平に保つことも可能です。
ハイコーキ CL14DSL
切断能力 |
軟鋼:W3/8、W5/16、M6、M8 |
ストローク数 |
30min-1 |
切断時間 |
約2.3秒 |
カッター刃数・寿命 |
4個/約10,000回 |
寸法 |
277mm×104mm×185mm |
重量 |
2.9kg |
参照
「ハイコーキ CL14DSL」
続いてハイコーキの代表的な全ネジカッターのCL14DSLです。
全ネジに対して手首の向きが平行になるのが特徴で、さまざまな方向を切断しやすいモデルになっています。
また2.9kgという軽量モデルで扱いやすく、作業者の負担を最小限に抑えた一台です。
カッターの寿命が約10,000回と長寿命ですが、上向き作業を行うなら垂直タイプの全ネジカッターの方がおすすめです。
パナソニック EZ45A9
切断能力 |
軟鋼:W1/2、W3/8、M10、M12 |
最小切断長さ |
約25mm |
切断能力 |
W1/2 軟鋼 約380本 |
質量 |
3.75g |
参照
「Panasonic EZ45A9」
最後に紹介するのがパナソニック製の全ネジカッターEZ45A9です。
ケーブルラックの釣り込みや空調設備の吊りボルトなどのあらゆる作業がおこなえる万能型モデルで、垂直タイプに対応しています。
重心バランスにこだわって設計されたモデルなので、安定した作業が可能です。
上向きに限らず床置きも可能で、W1/2やW3/8にも対応しています。
またデュアル式なので、18Vに限らず14.4Vバッテリーでも使用可能です。
全ネジカッターの選び方
ご紹介したように、全ネジカッターにはさまざまなモデルが存在しているので、ご自身にぴったりなモデルを選ぶには、選び方のポイントを抑えておく必要があります。
そこでここからは、全ネジカッターの選び方のポイントを紹介していきます!
電源方式
全ネジカッターの種類は大きく分けて3つあります。
- AC電源式
- バッテリー式
- 油圧式
AC電源式は全体の中でコストパフォーマンスに優れていますが、コンセントに電源を接続する必要があります。
またコードが作業時にわずらわしく感じることも多いので、このような方はバッテリー式がおすすめです。
しかしバッテリー式は、バッテリーを本体に取り付けて動作させるため、どうしても重量が重くなってしまいます。
充電が少なくなれば作業が安定せず、切れてしまえば作業そのものができなくなってしまいます。
どちらも一長一短ですが、天井のような高所作業時はバッテリー式がおすすめです。
コードがないぶん安定した作業ができるでしょう。
重量
全ネジカッターは、片手で作業を行うケースが多く、DIYではそこまで気にする必要はありませんが、使用頻度の高い職人さんは重量にも注目して全ネジカッターを選びましょう。
長時間、また高所の作業時には軽量・コンパクトモデルが扱いやすいのでおすすめです。
刃の向き
全ネジカッターはモデルによって刃の向きが異なる場合があります。
代表的な形状は、刃の向きが全ネジに対して手首と並行の「並行タイプ」、あるいは全ネジに対して手首の向きが「直角タイプ」のモデルです。
上向き作業をするのであれば、「直角タイプ」です。
直角タイプであれば、刃の部分がより見やすいため作業がしやすく、並行タイプよりも短くねじをカットできます。
切断できるねじのサイズ
全ネジカッターはモデルによって切断できるねじの大きさが異なります。
4分のねじを切断したいのに、3分しか切れない全ネジカッターの場合、美しい仕上がりにはならないでしょう。
モデルの仕様を確認して、どれくらいの切断能力を持つのかも確認しましょう。
まとめ
全ネジカッターは、〝全ネジ〟を対象に切断を行い、寸切り、長ねじ、スタッドなど呼び名もさまざまですが、ネジ山のような頭部がついていないネジの切断に用いられます。
専用カッターなのでバリの発生も少なく、切断後の後処理が不要で作業効率も格段にアップする電動工具です。
そんな全ネジカッターはおすすめのモデルがあるので、ぜひ選ぶ際の参考にしてみてくださいね!
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